近年、中古住宅を購入してリノベーションをする方が増えています。そんな中古住宅のリノベーションをする方におすすめしたいのが、ホームインスペクションです。本記事では、ホームインスペクションとはどのようなものなのか、さらにホームインスペクションを受けるメリットとデメリットを解説します。
ホームインスペクションとは
ホームインスペクションとは、住宅の劣化状況や不具合を調査する、住宅診断のことを指します。
ホームインスペクションは、買主でも売主でもなく、第三者のホームインスペクター(住宅診断士)によって行われるものです。ホームインスペクションで調査するのは、具体的に以下の箇所です。
・家の外周り(屋根、外壁、バルコニー、基礎など)
・室内(壁、床、天井、階段、サッシ、ドアなど)
・床下(束、土台、基礎の内側など)
・小屋根、天井裏(梁、桁、小屋組、野地板など)
・設備(給排水、給湯、換気、火災報知器など)
これらの箇所を目視で確認したり、作動確認をしたりして調査が進められます。
ホームインスペクションを行うタイミング
リノベーションをするときにホームインスペクションを行うタイミングとしては、中古住宅の申し込みから契約までの期間か、契約から引き渡しまでの期間がおすすめです。
その中古住宅の購入を前提として考えている場合は、申し込み段階でホームインスペクションを行っても問題ありません。ただし、建物の状態を見てからリノベーションの内容を決めたいという場合は、引き渡し前のタイミングでホームインスペクションを行うことがおすすめです。
ホームインスペクションを受けるメリット
ここからは、リノベーションをするときにホームインスペクションを受けるメリットをみていきましょう。
安心して中古住宅に住める
リノベーションをするときにホームインスペクションを受けると、その後安心して中古住宅に住めるというメリットがあります。ホームインスペクションでは、住宅の現状を知れて、必要に応じて補修などが可能です。そのため、安全な状態で入居ができ、安心した暮らしが送れるでしょう。
ホームインスペクションの結果に応じて計画的な工事ができる
ホームインスペクションの結果に応じて、リノベーションの計画的な工事が可能です。補修工事が必要な場合、その期間も考慮してリノベーションの計画ができるため、実際の完成日の見通しが立てやすくなります。また、補修工事が必要な場合「せっかく足場を設置するからついでにほかのメンテナンスもしてしまおう」ということも可能です。
建物の価値を維持できる
ホームインスペクションを受けると、建物の価値を維持できます。ホームインスペクションの結果に応じて適切なメンテナンスを行うことで、建物のよい状態を保てるからです。さらに定期的なホームインスペクションで必要に応じてメンテナンスをしていけば、長期間建物の価値を維持でき、売却時にもスムーズな取引ができるでしょう。
ホームインスペクションを受けるデメリット
次に、リノベーションをするときにホームインスペクションを受けるデメリットをみていきましょう。
費用がかかる
ホームインスペクションには、費用がかかります。一般的な一戸建てのホームインスペクションを受ける場合、5万~7万円が相場です。また、専門的な機械を使った調査などのオプションを追加すると、10万円を超えることもあります。リノベーションをするときにホームインスペクションを受ける場合、ホームインスペクション費用も含めた資金計画を立てるとよいでしょう。
結果によっては、売却時にマイナス点になることがある
ホームインスペクションの結果によっては、売却時にマイナス点になる場合があります。ホームインスペクションの履歴に劣化状態が残ると、売却時に買主の方に伝えなければいけません。劣化内容によっては「売却価格を下げてほしい」といわれたり、購入を断られたりする可能性もあります。
ただし、だからといって劣化状態を買主に伝えないのは絶対にいけません。万が一、契約したときの建物状況と引き渡し後の建物状況が異なると、売主側に費用が発生してしまい、トラブルになりかねないからです。それを避けるためにも、ホームインスペクションをしっかりと受け、劣化状態をきちんと伝えたうえで売却の取引を進めることをおすすめします。
まとめ
リノベーションをするときのホームインスペクションについて解説しました。ホームインスペクションは、建物の今の状態を知る、いわば建物の健康診断です。きちんと健康診断を受けてからリノベーションをすることで、建物の状態に合わせたリノベーションができ、安心して新しい暮らしをスタートさせられます。
また、定期的にホームインスペクションを行えば建物の価値を維持でき、売却時にも役立つでしょう。これから中古住宅を購入してリノベーションを検討している方、ぜひホームインスペクションを受けてみてください。